ショコラ~愛することが出来ない女~
食べ終わって駅まで詩子を送る。
別れ際、詩子の強い視線が気になって仕方がない。
何なのよ。何が気になってる?
「何? 詩子」
「ううん。何でもないけど」
「そう? じゃあ気をつけて帰るのよ」
言いたいことがあるならはっきり言えば良いのに。
庄司くんのこと、気に入らなかったのかしら。
「……母さん」
「ん?」
「幸せになってね?」
詩子の小さなその言葉は、何故か鉛のような重たさで私のおなかの辺りに落ちる。
幸せって、どうやったらなれるの?
遠ざかる詩子の背中に問いかけながら、自分がその方法に気づいていることを知る。
そうよ、もう知ってる。
詩子が前に示してくれたじゃない。
庄司くんと幸せになるには、舞ちゃんを引き取って一緒に育てることだろう。