ショコラ~愛することが出来ない女~
「悪い? いくつになっても恋はしたいでしょ。女だもの」
「案外、……可愛いですよね」
睨むとニヤニヤ笑ってくるのは庄司くん。
年下男に可愛いって言われても嬉しくない。
いや、それは嘘か。
隆二くんだって年下だった。
彼に言われれば嬉しいに決まってる。
「もう、うるさいわね。今仕事中よ。この話は終わり」
「えー聞きたいです。色々」
「終業後飲みに行きましょ。奢ってあげるわよ。
庄司くんもどう? 別居中なら寂しいでしょ」
「ええ。行きます」
「じゃあ、とっとと片付けましょ。
来月には辞令も出るって。
引き継ぎ作業と並行になるから忙しくなるわよ」
「はい!」
威勢の良い二人の返事に背筋が伸びる。
なんだかんだ。
この二人は仕事に対してのやる気があるから好きだ。
続けることへの原動力は、やっぱり好きって事。
仕事が好きって、幸せなことだ。