〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
17話「ダイキ君と前編」
私は慌ててかりんちゃんと女子寮に戻る。
学園の誰かに見つからないようにこっそり。

「おねぇちゃあ…」

目を擦り、
少し眠そうにこしこしして、ヨタヨタ歩きする。

私はしゃがみ。

「ほらっ…後ろに乗って」
“バサッ”

前かがみにもたりかかり、背中におぶさるかりんちゃん。
かりんちゃんを、
両腕で支え立ち上がる…


「ねぇちゃん…」

かりんちゃんは安心したのか、目を閉じ眠ってしまった。

白いワンピースは、
少し濡れている。
赤い線の入ったまるで、
中学の制服みたいなエリの付いたワンピース。

階段を上がり、部屋に戻る“ギィ‐”

ドアを開け、
肩でドアを押し付けながら中にゆっくり入る。

かのんさんは…
またしてもトイレから出てきて、
かりんちゃんを見る。

「あっお帰りなさいですっ…菜月さんあのっ…その子…」

かのんさんは、
目を丸くしながら、
おぶさっている
かりんちゃんに目を向けながら聞いてきた。

かのんさんに黙って居る事は出来ないので、
ダイキ君の娘である事を伝えた。

「そう…なのですかっ…」
私は、玄関のドアに鍵を掛け中に入ると、
かのんさんが気を利(き)かせて私の部屋のドアを開けてくれた。

「電気つけますねっ…」

とっ私の部屋の明かりを点けてくれ、
言葉に甘え部屋に入る。

ダイキ君は、
まだ眠って居たので
かりんちゃんを、下ろし
布団を出しベッドの隣に寝かせた。
シャワ‐を軽く浴びた後、部屋に戻り
私も、かりんちゃんの隣に添い寝して眠りについた。
―・翌朝・―

目が覚めると、
ダイキ君が窓際に立ち
外を眺めていた。

空はあいにく…雨
曇った空は昨日より明るく感じても、
まだ暑い程ではない。

「…」

ダイキ君がこっちに気付き、少し優しい笑顔を向けてきた。

私が起きた事に気付いたみたい…。

「おはよっ…、
かりん助けてくれたみたいで、ありがとう」

ダイキ君に助けた事を話した記憶は無いのに、
いつの間にかダイキ君に
伝わっていた。

「…どうして知っているの?助けたって」

ダイキ君は私の方に近づき、とっさに起き上がる。
ダイキ君は私の前で、
しゃがみ、座る。

「…昨日夜中に、
トイレに行ったら
かのんさんって言う女性から、話を聞いて」
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