君の面影を探して
出会い
10年前、私が10歳になったばかりの4月
彼は私の家にやってきた


彼は15歳、中学を卒業したばかりの頃だった



ただ、ここは『私の家』と言っても私が育った家ではない
私は事情があってこの叔父の家に10月から住み始めた
だから、ここは私の新しい家だ



そして私の叔父は暴力団の組長だ
その叔父には拾い癖(?)がある


例に及ばず彼もその『拾い癖』によって拾われてきた
そして私たちと一緒にこの叔父の家に住むことになった


ちなみに捨て犬も大量に拾ってくるので
家のすぐ近くに犬専用のアパートがあった


そして15歳~20歳の男を拾ってくることも多々あった
叔父曰く最近組の構成員の平均年齢が上がってきたから
若い人間が必要だったらしい



しかし、叔父が拾ってくる若い人たちはほとんどが
少年院を出たところだったり保護観察中だったりした


かくいう私も10歳にして補導歴は数え切れないほどあり
叔父の家に預けられたのも両親から育てられないと捨てられたからだった



そんなこともあり皆やさグレた連中ばかり
若い者は若い者で仲良くやっていた


彼も初めは壁を作っていたが2週間もしないうちに
家族の中に馴染んでいた
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