Sugar × Spice Ⅲ〜ハジメテは年下幼馴染〜
涼の腕が、グッと私の腰を引き寄せる。
鼻腔いっぱいに、涼のにおいが広がってゆく。
「ちょ、りょ、涼っ、….」
逃れようとしても、涼の力が強くてほどけなかった。
“…だ、ダメ…これ以上くっついたら……”
またムズムズしてきちゃうよ…
…てゆーか、足…?
涼の足が、変なとこ当たって…
ふと気になって視線を下ろすと、涼の下半身がモ……
「んぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!」
気付くと私は、力の限り涼の身体を突き飛ばしていた。
ーーーーーー…
「だから、ごめんって!何度も謝ってるじゃない」
私は涼に向かって手を合わせた。
だけど涼はさっきから、不機嫌MAX。
ちっとも機嫌を直してくれない。
「でも涼が悪いんだよ?
いきなり引っ張って抱き寄せたりするから…だから私、びっくりして…」
本当の理由は伏せといた。
…本当は涼のアソコが大きくなってて驚いたなんて、
恥ずかしすぎて言えるわけないじゃない。
てゆーか、何で私が恥ずかしがらなきゃいけないの?!
私の方が年上なのに!
どうして涼はそんな普通でいられるのよ!
「マジ痛ぇんだけど…咲、お前どんだけバカ力なんだよ」
突き飛ばした拍子に壁に頭をぶつけたらしく、後頭部を抑えながら涼は私を睨む。
「もう、良い加減許してよね!
第一、今日出かけるって言って寝坊した涼が悪いんでしょ?!
私が寝坊すると怒るくせに、なんで自分は…」
「おい、ちょっと待て」
涼が私の言葉を制した。
「俺、昨日メールしたよな?
レポート終わんねぇから、出かけるの昼過ぎにしてくれって」
「え……」
「まさか、読んでねぇの?
返事なかったからまさかとは思ってたけど……」
涼が大きくため息をついて言った。