目が覚めると7人の男が側にいました。



なんとなくゴールドブラウンの髪の彼を見つめていると、「おい」といきなり凄まれた。



「な、何よ?」


「何よ、じゃねぇよ。お前メシ食ったのか?」


「……食べてない、けど」



軽く後ろにのけ反りながらそう答える。


すると彼は「はぁ…」と、溜息をつきながらあたしの手首を掴んだ。



「だって何だか朝は食べる気がしな―――」


「てめぇは記憶失ってもそれかよ…。いいから食え、何でもいいから食いやがれ」


食いやがれって…。


「だからこんなに細っこいんだろうが」



サクヤがあたしの手首をぐっと握りながら言う。


その温かな感触に少し照れくさくなって、パッと自分の方へ手を引いた。


昨日の夜、キョウがなんとなく言っていた。


サクヤが朝まで神田家へ出入りするようになったのは、あたしがあまり朝食を食べないからでもあるらしい。



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