咲き舞う華は刻に散る


すべてを洗い流す雨と共に心の憂さも流れれば良い――。



美桜里は空を見上げ、そう思った。



しかし、それは叶わない。



洗い流す事が出来ないなら…。



「私はどう生きれば良いんだよ…?」



目から溢れて来る涙が頬を伝う雨粒と混じり合う。



そして、雨音に混じるように美桜里の慟哭が響いた。



土方と沖田は雨の中で泣き叫ぶ少女の小さな背中をただじっと見つめていた――。






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