咲き舞う華は刻に散る


ふと笛の音が止んだ。



「美桜里さん…?」



沖田は身体を起こすと、布団に湿った手ぬぐいが落ちた。



体調は前よりも良くなかったが、何となく気怠い。



「美桜里さん、居ないんですか?」



さっきまで縁側で笛を吹いていたであろう彼女の名を呼ぶが、返事はない。



何かあったのか――?



そう思いながら、沖田は羽織を羽織ると、刀を片手に縁側に出た。



外は月から放たれる黄金色の光に包まれている。



そんな中に長い黒髪を靡かせ、悠然と立つ影が一つ目に入った。





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