咲き舞う華は刻に散る


「私は人間じゃない…」



「!?」



「鬼と人間の混血なんだ。だから、髪も瞳も人と異なってるんだよ」



その後も美桜里は沖田に自分の事を話した。



ツノは隠れている事、満月の夜は人の姿になってしまうという事を――。



沖田は淡々と自分の事を話す美桜里をじっと見ていた。



今まで彼女に対して、違和感を抱かなかったと言えば、嘘になる。



特に彼女が冷たい目をした時に人ではない恐ろしさを感じていた。



「私が怖いか…?」



美桜里の言葉に沖田はハッとした。



哀しみを露にした彼女の瞳が沖田を見つめている。



そんな彼女を見ても、彼は何も言えずにいた。




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