咲き舞う華は刻に散る


それは不気味を通り越して、気持ち悪いとしか言いようがない人形だった。



丸太に着物を着せ、鞠に白い布を巻いたものを頭にし、それに顔が描いてある。



顔はマロ眉に白目、歯は剥き出し。



しかも、長らく放ってあったらしく、埃やらで薄汚れていた。


「一体何だ、これは?」



「分かりません。おそらく、敵の――」



「あ、私の身代わり人形」



「「はっ?」」



土方と山崎は素っ頓狂な声を出すと、美桜里の方を見た。



美桜里はその人形について彼らに話した。






< 377 / 615 >

この作品をシェア

pagetop