咲き舞う華は刻に散る


ごうっと燃え盛る焔。




それは己の瞳と同じ…、血のように色鮮やかな緋(アカ)――。




「なっ…」




美桜里は目の前の光景に言葉を失った。




何故、生家が燃えているのか――?



混乱している彼女には分からなかった。




「父様…、母様…、兄様…?」



美桜里は辺りを見渡し、家族の姿を探した。




しかし、家族の姿は見当たらない。




つまり、家族はまだあの燃え盛る炎の中ということだ。






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