咲き舞う華は刻に散る
すると、突然美桜里は彼に身体を抱き寄せられた。
小さく華奢な彼女の身体は沖田の腕の中にすっぽりと収まってしまう。
「なっ…。お、沖田…っ」
美桜里は彼の腕から逃れようと胸を押すが、その腕は緩まる所か更に強く抱きしめた。
「沖――」
「『総司』って呼んでよ、美桜里」
「…っ」
沖田が耳元でそう囁くと、彼の吐息が耳にかかった。
美桜里は小さく肩を揺らし、耳を赤くした。
何故、こんなことをするのか美桜里には分からなかった。