咲き舞う華は刻に散る


「土方、大丈夫か?」



「…ああ。苦労をかけたな、美桜里」



土方は彼女を労うような言葉をかけると、笑った。



何度も見て、見慣れた笑顔なのに、何処か前のモノと違う。



何処が違うかは分からない。



ただ、美桜里の中の何かがそう思わせている。



「いや…。悪いが、数刻だけ抜けさせてくれ。容保様の所に行って来る」



土方は会津公の名前を出すと、驚いていた。



それでも、数刻だけ抜けることを許してくれた。



美桜里は身なりを整えると、会津公のいる鶴ケ城に向かった。






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