咲き舞う華は刻に散る


「くっ…」



突然の事に吐き気は吹っ飛んだが、脇腹がまた痛んだ。


「俺の刀を止めるとはなかなかやるな、小娘」



「貴様は…、芹沢…?」



美桜里は突然刀を振り下ろして来た芹沢を睨みつける。



「ほう、儂の名を知っているか」



「昨日、あの男が言っていた。それと、私を小娘と呼ぶな」



「小娘に小娘と言って、何が悪い?」



確かに美桜里は16になったばかりで、小娘と呼ばれてもおかしくはない。



が、彼女的には小娘と呼ばれると子供扱いされているようで腹が立つらしい。



芹沢の態度にだんだんと苛立ちを覚えた。




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