monoTone
「ってぇ!!」
目を覚ました瞬間、頭と足、それと首の後ろ
に激痛を感じた。
「…おい、大丈夫か?」
うっすらと目を開け、辺りを見渡すと、辺り
一面白い部屋と、妙に綺麗な男。
「…誰だよ、お前」
「…この病院の院長の息子だ」
「あ?」
「…お前と同い年だ」
「は?」
確かに、もうすぐ中3にはなる。
でも、中3になるからって、こんな完成した
顔した、大人っぽい奴いるはずねぇ。
「名前は?」
頭は痛くても、こいつとは会話が出来る。
「…湊京介」
「京介…な。俺は」
「靖浩だろ?」
「おう。ヤスって呼べ」
「…ヤスな」
「お前、本当に俺と同い年か?」
「あぁ。お前の保険証で見たから、間違いは
ねぇ」
「はぁ…」
なんで同い年で、こんなに落ち着きが違ぇん
だよ。
「…お前の髪、綺麗だな」
「あ?髪?」
「…赤が似合ってる。お前、赤狼か?」
「まぁ…そうだな。今は、その名前には相応
しくねぇけどな」
「…似合ってる、髪型」
京介との出会い。
京介は、俺の髪を何度も褒めた。
それはまるで、俺がこの髪をとても気に入っ
ていて、赤狼、金狼と呼ばれるのが、嬉しか
ったことを知っていたように。
金狼、赤狼とセットで呼ばれることは…もう
ねぇの?
京介に聞くと…
ヒロは、あのまま傷害罪として捕まり、今、
留置所にいるらしい。
ヒロがあの時につけた、首の後ろの傷は、結
構致命傷だったらしく、俺は下手したら死ん
でたそうだった。
でも、京介の親父さんのお陰…なのか、医者
の世界はよくわかんねぇから、何とも言えね
ぇけど、京介の親父さんの病院のお陰で、今
もしっかり生きている。
幸い、その傷は頭と首の境目で、髪を少し長
めにしておけば、隠れるらしい。
まぁ…全治2ヶ月らしいけどな。
ヒロは…これから、家庭裁判所で裁判をし、
その後に鑑別所に行き、様子を見て、少年院
か、監視付きで解放されるか、どっちだと、
京介が言っていた。
…俺はもう、ヒロとは仲直り出来ねぇの?
仲直りして、アイス奢ってもらうつもりだっ
たのに。
…俺が殴り返していれば、少しは状況が良く
なったのか?
あ~、難しいこと考えてっと…
「アイス食いて~」
という思考が働く。
黙って椅子から立ち上がった京介は、しばら
くすると帰ってきて、俺にアイスを差し出し
てきた。
…良い奴じゃん。
「さんきゅ、京介!!」
アイスを食べながら考えた。
もう、赤と金の狼は、一匹狼になってしまっ
たのだろうか…
目を覚ました瞬間、頭と足、それと首の後ろ
に激痛を感じた。
「…おい、大丈夫か?」
うっすらと目を開け、辺りを見渡すと、辺り
一面白い部屋と、妙に綺麗な男。
「…誰だよ、お前」
「…この病院の院長の息子だ」
「あ?」
「…お前と同い年だ」
「は?」
確かに、もうすぐ中3にはなる。
でも、中3になるからって、こんな完成した
顔した、大人っぽい奴いるはずねぇ。
「名前は?」
頭は痛くても、こいつとは会話が出来る。
「…湊京介」
「京介…な。俺は」
「靖浩だろ?」
「おう。ヤスって呼べ」
「…ヤスな」
「お前、本当に俺と同い年か?」
「あぁ。お前の保険証で見たから、間違いは
ねぇ」
「はぁ…」
なんで同い年で、こんなに落ち着きが違ぇん
だよ。
「…お前の髪、綺麗だな」
「あ?髪?」
「…赤が似合ってる。お前、赤狼か?」
「まぁ…そうだな。今は、その名前には相応
しくねぇけどな」
「…似合ってる、髪型」
京介との出会い。
京介は、俺の髪を何度も褒めた。
それはまるで、俺がこの髪をとても気に入っ
ていて、赤狼、金狼と呼ばれるのが、嬉しか
ったことを知っていたように。
金狼、赤狼とセットで呼ばれることは…もう
ねぇの?
京介に聞くと…
ヒロは、あのまま傷害罪として捕まり、今、
留置所にいるらしい。
ヒロがあの時につけた、首の後ろの傷は、結
構致命傷だったらしく、俺は下手したら死ん
でたそうだった。
でも、京介の親父さんのお陰…なのか、医者
の世界はよくわかんねぇから、何とも言えね
ぇけど、京介の親父さんの病院のお陰で、今
もしっかり生きている。
幸い、その傷は頭と首の境目で、髪を少し長
めにしておけば、隠れるらしい。
まぁ…全治2ヶ月らしいけどな。
ヒロは…これから、家庭裁判所で裁判をし、
その後に鑑別所に行き、様子を見て、少年院
か、監視付きで解放されるか、どっちだと、
京介が言っていた。
…俺はもう、ヒロとは仲直り出来ねぇの?
仲直りして、アイス奢ってもらうつもりだっ
たのに。
…俺が殴り返していれば、少しは状況が良く
なったのか?
あ~、難しいこと考えてっと…
「アイス食いて~」
という思考が働く。
黙って椅子から立ち上がった京介は、しばら
くすると帰ってきて、俺にアイスを差し出し
てきた。
…良い奴じゃん。
「さんきゅ、京介!!」
アイスを食べながら考えた。
もう、赤と金の狼は、一匹狼になってしまっ
たのだろうか…