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美月の女嫌い

京介と、初めてキスした日から、よく京介の

家に行くようになった。

それでも、夜ご飯は作らなきゃだから、6時

には家に帰るけど。

ついでに、京介の家に行けば、ヤス、徠斗、

美月がいて、みんなで遊ぶ。

ヤスと徠斗は、バカなことをいつもやってい

て、美月は最近、あたしにベッタリだ。

女嫌い…なんだよね?

いいのかな?

あたし、もしかして女だと思われてない?

「美月」

「ん?」

「美月って、女嫌いだよね?」

「もちろん。考えるだけでも気持ち悪ぃ」

「じゃあ、あたしは?」

「…好きだ」

「あたしは、女だと思われてない?だから、

嫌われないの?」

「違ぇよ!!」

「でも、そうだよね。だって、女の子の集団

の中にいるだけで気持ち悪くなっちゃうのに

さ。あたしは、やっぱり女らしくない」

あぁ、自分で言ってて、ショック受ける。

「そんなことねぇよっ!!日向は可愛いし、女

として、唯一認めてるんだ!!」

「そう?」

でも、可愛いと言われて、悪い気はしないか

ら、笑顔になる。

「京ちゃんの彼女じゃ、もったいねぇよ」

「…美月、何か言ったか」

「言ってね~よ。まぁ、日向はいつか、俺が

もらうから」

「…できるもんならやってみろ」

「京ちゃんには負けねぇもん!!」

…何の会話だい?

日向ちゃん、ちょっと頭弱くなったかも。

「日向~」

「ん~?」

「京ちゃんがいじめてくる~」

「京介が?」

「うん」

キュッと抱きついてきた、美月。

京介の眉間に、シワが寄る。

…なんか、怒ってるんですけど。

「…日向」

「ん?」

「美月から抜け出せ」

「んな、無理な」

「あ?」

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