保健室のアイツ
「キ…スって生徒が先生にそんなことしていいと思ってるの!」



私が再び声を張り上げると彼は、はーっと偉そうに腕を組み、ため息交じりに言った。



「だって先生の唇があまりにもカサカサで、キスしてなさそうだったから……だから舐めたくなっちゃって」


ペロッと舌を出し、悪魔のような悪戯な笑みを零す彼。


「なっ……大きなお世話よ!」


私は自分の唇を指で触りながら大きな声を上げた。



実際、さっきまでカサカサだった唇は彼のおかげで潤っていた。
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