レンタル彼氏Ⅲ【完結】
私は、聖を好きだったよ。

ただ、伊織以上にどうしてもならなかっただけであって。

本当に、この先会えなかったとしたら聖と一緒になったかもしれないぐらいに。



また、涙が滲む。

それを我慢しながら、私は帰路を急いだ。




自宅に到着して、私は風呂に入って準備を始めた。


玉子サンドなんて、いつぶりってぐらい作ってもないし、食べてもない。



お母さんに作り方を聞きながら作った。


一つつまんだけど、中々おいしかったし、いけると思う。



玉子サンドを丁寧にラップに包んでから、私はキャラクターの可愛いお弁当箱に入れた。



まだ…時間はある。
和は仕事だろう。


尚子に連絡しようかな。




きっと、伊織と出会えて更にうまくいったことを伝えたら喜んでくれるはずだ。




尚子の喜ぶ姿を想像して口が緩む。



やっと。



やっと、私も幸せになれるんだ。



これから先、色々な試練があるかもしれない。

一人では乗り越えられない壁も。



二人なら乗り越えられるから。




乗り越えてみせる。
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