キミに送る約束~空に向かって~
心愛は隣にしゃがんでコーヒーを
飲む。
「.....梓ちゃんのこと幸せにしなよ。」
「ん。言われなくても分かってるっつーの。」
「嘘だぁ。でも慧にしては長持ちだよね...。」
「え.....?」
心愛はコーヒーを一気に飲み干した。
「慧、今まで1週間も持たないうちに
別れること多かったじゃん。」
「そうだな.....。だけどさ...なんつうか...
梓は大切なんだよ...。初めて出会った。
あんな奴に。俺が隣にいなきゃならねえ
じゃなくて...俺が隣にいてえって
思ったんだよ。...って俺何心愛に
言ってんだろうな。」
きっと心愛は鼻で笑うだろう。
俺は少し顔を赤くして隣にしゃがみこんだ
心愛をみた。
けど心愛はまっすぐ校舎を見ていた。
「心愛.....?」
「...羨ましいよ。梓ちゃんが。」
「え?」
「慧に...そんな風に思ってもらえて。羨ましい。」
「心.....愛?」
心愛は目を大きく見開いて口をおさえた。
「ははっ、あっあたし何言っているんだろー。
べっべつにさー、誰かに思われるって
いいなーって思っただけ。はは。」
今の心愛は凄く寂しそうに見えた。
「ふ、早くお前も彼氏つくれよ。」
知らなかった。俺の一言でキミがこんなに
ツライ思いをしていたなんて。
「.....うん。」