キミに送る約束~空に向かって~
俺は腕組をして校舎の前で
梓を待ち構える。
「はぁー.....。」
心愛はため息を俺に吐いて校門を
通り抜けていく。
俺は首だけ振り向いてそんな心愛を
見ていた。
いつの日だっただろう。
心愛は俺はもう無くなった駄菓子屋の前で
今ラムネが欲しいと騒いで
駄々をこねたことがある。
2人も金も持っていなくて
何も買えない状態だった。
いつまでも店の前にいる俺を
おいて心愛は姿を消してしまった。
いまと同じだ。
あ...でも今とは違う。
昔の心愛は優しくて俺をおいて
帰ったと思ったら.....
「ん。寒いでしょ?あげる。これ。」
「心愛.....?」
心愛は暖かいコーヒーを片手に持ち
俺に渡す。
「いらないならいいけど。」
「.....サンキュ。」
俺はコーヒーをもらい幼い頃のように
心愛に笑いかけた。
あの話には続きがある。
「慧。お金貰ってきたよ♪」
心愛は金を貰って俺を迎えにきて
くれた。ラムネを買ってくれた。
─プシュッ
「ふぅー。」