キミに送る約束~空に向かって~

立ち上がった心愛をおいて兄貴は
鞄を肩にさげて部屋から
出て行った。

残された心愛は唇を尖らせて座りこむ。


「あーあ。勉強まだ半分しか教えて
もらってないのになー.....。」

「俺が教えてやろっか?」

「結構です!ていうか慧から教わることなんて
何一つないから!」

「あるだろ。」


そう言って俺は心愛の隣に座った。


「なっ何?」


ゆっくり隣の心愛に近づいていく。


「なんだと思う?」


心愛は目を泳がせて俺を見る。


「ふっ、そんな怖がんなくったっていいだろ。」


心愛の鎖骨に指で軽く触れた。


「やっやめ...「心愛ちゃんは、まーだ彼氏
いないんだろ?それだったら彼氏できたとき
困るじゃん。俺が色々教えてあげよっか?」


そう言って部屋の端まで心愛をおいつめた。
俺は心愛の耳のフッと息をかけた。


「やっやっや.....だあー!」


─パシンッ


「何してんだよ!」


俺は咄嗟に頭を抱えてしゃがみこむ。


「大丈夫か?心愛。」


家から出て行ったはずの兄貴が心愛の
背中を優しく撫でていた。
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