キミに送る約束~空に向かって~

店から出て梓ちゃんはまた頭を下げる。
着替えているときもずっと謝っていた。


「何、謝ってんのよー。梓ちゃんは
悪くないんだから!悪いのは...
アイツよ!うん、そーよ!」

「でも「梓っ!」

「慧...?」 「慧くん...?」


息を切らした慧があたし達の目の前で
しゃがみこんだ。


「どうしたの?慧くん。こんな時間に。」


梓ちゃんも慧の隣でしゃがみこんだ。


「クラスの奴から...梓がバイトでちょっと
トラぶったの見たって聞いて.....
心配で.....。」

「慧くん.....。」


あたしは、ただ黙って2人を見ていた。


「ばかー!全然大丈夫だから!それにね
心愛先輩が助けてくれたんだよ?
だから大丈夫だって♪」

「え?ああ。心愛。悪いな。」

「へ?あ、うっうん?」

「とりあえず梓。今日は家まで送るから。」

「え?いいよ。そんなの。」

「いいから!」

「えー。分かった。あ、じゃあ心愛先輩も「あたしは
大丈夫♪今日はちょっと千尋の家に
寄る予定があるんだよねー。だから慧。
梓ちゃんのこと頼むよー!」

「おう。じゃーな。」


寄り添って歩く2人の姿をみてあたしは
自然と涙がこぼれた。
叶わない。この恋は。
永遠に、かなえちゃいけない。
違う。本当は叶わないんだ─...

なのにあたしは.....2人の不幸を
祈ってしまう─...
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