子悪魔ライアス★下克上~Der Traum des Teufels~
ライアスがうたた寝をしている頃、イブナクは詰所の長に魔界であったことを詳細に報告した。
その場はサウラーも居合わせていたので、同じ人間に攻撃を受けたという事実も、知ってしまった。

「危険な任務だとは思っていたが…やはりイブナクを行かせるべきではなかったか…?」

長は沈んだ顔をしている。

「イブナクが旅立ってから、アーヤ陛下が勇者志願者を集めたんだ。」
サウラーがイブナクがいない間に人間界で起こったことを説明する。

「そっか…。」
イブナクは少し思案したが、今は本来の目的を達することを優先した。

「長、悪魔狩りの冬装束ありませんか?」
「おぉ、あるぞ。その服もだいぶぼろっちくなってるから、新しいのに替えていくといい。」
「感謝します。」
イブナクの衣装がぼろぼろになっているのは主にダークの爪で斬り裂かれたせいだった。
今度会ったら装備の分だけ金を巻き上げるか、片翼を全部斬り落とすか何かしてやらないと気が済まない。

装備を収納してある部屋に行く。サウラーもついてきた。
「提案なんだけど。いかにも悪魔狩りって装備はやめたほうがいいんじゃ…?」
「また人間に攻撃されるかもしれないから?」
「うん。」
サウラーは本当に心配そうだ。

「僕は、この職に誇りを持ってるから。そんなのサウラーは気にしなくていい。」
「そっか。」
サウラーはそれ以上何も言わなかった。
どのみちこの倉庫には悪魔狩りであることを示す装備しかないのだ。

イブナクは手早く着替えた。
そして冬用のマントなどを手に取ると、長とサウラーに挨拶し、悪魔狩りの詰所を出た。

出た途端、昼寝をしているライアスが目に入った。

「ライアス、魔界に行く。」

ライアスはすぐに目を覚ます。ライアスはイブナクを一目見ると、
「装備新しくなったのな。」
ライアスはそう言うと立ち上がり、体のあちこちについた草を払うと森へ向かって歩き出した。
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