ニセコイ
さっきまで繋いでた手を自分の布団に寝そべって見つめる


あーぁ、あんな事、ホントに好きな人にいわれたらすごく嬉しいだろうな

「瑞穂、ご飯」


弟に呼ばれてリビングに降りるとすでにお母さんとお父さんが座っていた

「いただきまー……」


「待った瑞穂」


お父さんは箸が向かった先のお皿をひょいっと持ち上げた


「何すんの唐揚げ食べたいのに返してよ」


お父さんは楽しそうに自分の方に唐揚げを引き寄せた。これだから父親って娘にいやがられんの


「さっきの子は瑞穂の」

「クラスメート」


私は大雅に家まで知られてしまった。念には念をすぎでしょ


お父さんは嬉しそうに目尻を下げて笑った。
返ってきた唐揚げにやっと箸をつける


んー、うま。
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