わたしとあなたのありのまま ‥3‥
ゆるゆると視線を上げた田所は、今度はじいっと、穴が開くんじゃないかと思うほど食い入るように私を見詰める。



ほんの少しの間、何やら考えているみたいだったけど、やがてゆっくりと口を開いた。


「不安になんのは……ほのかのこと好きだからだろ?」



もう……何て可愛いこと言っちゃうんだ、このお口はっ!



「好きだったら、信じてよ」


言いながら、ほとんど無意識的に、自分の顔を田所のそれに近付けていた。


田所がゆっくりと瞼を落とし、長い睫が下を向くのを見届けてから、私も目を閉じた。



ふわっと合わさった唇。じっくりほぐされているような甘いそれに、心も身体もとろけてしまう。



田所の右手が私のうなじに添えられ、そこから身が震えるほどの熱い何かが全身に広がった。



決して離れることなく、田所は何度も何度も角度を変えて食む。随分長い間、その甘美な行為に、呼吸も忘れて没頭していたと思う。



ようやく田所がほんの少し隙間を作った時には、二人とも軽く息が上がっていた。


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