わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「『私だって』、何?」

続きを促す田所の声は、とても冷ややかだった。



「何でもない、ごめん。田所、ほんとにごめん」

縋る想いで、ただただ謝れば、

「もういいって」

田所はそう言いながらも、繋いでいた手をスルリと解く。



「で?」

田所にそう聞かれ、何を答えたらいいかわからず、

「『で?』って?」

と聞き返した。



「お前はどうしたいの?」


「そんなの決まってんじゃん。田所とこれからも一緒にいたい」


「俺も。じゃ、あいつとちゃんと別れて来いな?」


言って、くるりと身を翻し、来た道を引き返し始める。



「ちょっと待って! どこ行くの? てか、冬以と別れるも何も……」

慌てて後を追いながら叫べば、田所はヒタと立ち止まる。



ゆっくり振り返った田所、私が追い付いて隣に並ぶのを待ってから、

「じゃあ何? お前はこれからも、二股で行くつもり?」

至極冷淡な口調でボソリと呟く。



「どうしてそうなんの? 違うんだって、全部話すから……」


「いい、話さなくて」

言って、再び歩き始めた田所。すかさず腕を掴んで引き留めた。



「どうして? お願い、聞いてよ田所」


「彼女が他の男とヤッた話なんか聞きたい訳ねーだろ?」


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