リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・12
仕事を終えて、お風呂に入った後、アタシは再びメイド服を着る。

もちろん、洗ったばかりの綺麗なの、だ。

寝巻きで邸の中を歩くことは禁止されているし、私服であの人の私室に入るところを見られては、妙な噂が立てられてしまう。

だからあの人がアタシの部屋に来る時も、執事服。

…まあそれはちょっと萌えるから良いんだけど。

「何てバカなこと考えている場合じゃないわね」

もうすぐ十時になる。

あの人の部屋もアタシの部屋も個室だけど、やっぱり執事であるあの人の方が立派な部屋を与えられている。

「アタシも出世したら、良い部屋を貰えるのかな?」

そうすれば…あの人も堂々と部屋に来てくれるかもしれない。

今のままじゃ、どうしたって仕事の延長戦みたいな感じだし。

あの人の部屋の前で軽く身だしなみを整え、扉をノックした。

「どうぞ」

「失礼します」

礼儀正しく部屋の中に入る。

「あれ? まだ着替えていなかったんですか?」
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