リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・12
部屋の中に他に人がいないことを確認して、口調を和らげる。

「ええ。ですが時間はピッタリなので、気にしないで良いですよ」

執事服を脱ぎかけって…妙に色気があって、参るなぁ。

…でもアタシがメイド服を脱ぎかけた姿って、ただたんにだらしない感じしかしない。

「さっ、こちらにおいで」

ベッドに腰掛けて、あの人が手招きする。

高鳴る胸を押さえながら、アタシは前に進み出る。

そしてあの人に手を掴んで引っ張られ、思わずその体に抱き着いてしまう。

…見た目とは反して男らしい体、何度触っても、やっぱり緊張する。

「ふふっ。可愛いですね」

あの人が浮かべる笑みはいつも見ているもの。

…けれどその眼に鋭い光が宿っているのを見て、思わず体が熱くなる。

「あっ…」

あの人の指がアタシの唇に触れる。

「さて、何か言いたそうな顔をしていますね?」

…イジワル、だ。

ここでお預けをくらわすなんて。
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