愛を教えて ―番外編―
情事のようなセックスは初めてだ。

ソフィを抱き締めたまま、ジェイクはそんなことを考えていた。


着衣のまま、愛の囁きも身体への愛撫もない。脚を開かせるなり押し入り、フィニッシュまであっという間だった。ベッド以外でのセックスも初めてのこと。


(ひょっとして……ソフィは慣れてるのか?)


そんな不安が胸をよぎる。

もしそうなら、ものの数分で終ったジェイクをどう思っているだろう。


不安を抱きながらも、ジェイクはソフィの中に収まったままの相棒を思い出した。

そのままソフィの身体の向きを変えさせ、ウッドベンチに手をつかせると、彼女を後ろから攻める。


気がつけば、ふたりとも全裸になっていた。

仕事中であることも、真昼であることも忘れて、初めて経験する情熱的な愛の行為に、没頭していたのだった。



『今……何時かしら?』


大きな波が引いたあと、そんなソフィの呟きにジェイクはハッと我に返る。


『しまった! とっくに正午を回ってる。なんてことだ!』


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