愛を教えて ―番外編―
北斗の大声に忍が泣き始める。

すると、北斗は妹に向かって怒鳴った。


「うるさい! うるさい! うるさい!」

「北斗くん! お兄ちゃんがなんてこと言うの。北斗くんが大きな声を出すから、しーちゃんが泣き出したんでしょう」


愛実に叱られ、今度は母親に向かって怒りをぶつける。


「きらいだ。パパも、ママも、お兄ちゃんも忍も、だいっきらいだーっ!!」

「北斗! 裏から文句を言われるから、うるさくするな」


大地が二階から下りてきて北斗を叱った。


「でも、パパが……」

「ママを困らせないって約束しただろ。早く着替えてこいよ」

「幼稚園は行かない。行っても笑われるだけだよ……パパが来ないから」

「北斗が行かないと、ママがもっと笑われる。ママを泣かさない、困らせないって決めたろ。だから行け!」


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