大嫌いだから、ね? ③
 
 ベッドから降りて、左右を見渡して、それからパジャマ姿の自分を見下ろす。


「掃除しなきゃ、着替えなきゃ、そのまえにお風呂入って・・・ああ、そうだ。

 窓をあけて、換気しなきゃ。えっと、ああ、どうしよう」

 

 気ばかりあせって、なにからどうすればいいのか、わからない。

 冷静に考えれば、光くんはまだ学校で授業中なのに、今すぐ彼が来てしまうかのような気がして・・・。



「どうしていいかわからない」




 あまり焦りすぎて、一瞬、思考が停止しかかって、ペタンと床に座り込んだら、部屋のドアが開いた。



「まぁ、どうしたの? 陽菜。具合が悪くなった?」



 入ってきたのはお母さんで、両手に持っていたトレイを机の上において、私のそばにやってきた。

 トレイの上にはガラスのティーポット。ほんのりと、湯気が立ち上っている。

 ハーブの青々とした、よい香りが漂ってくる。

 それはほっとさせる香りで、焦っていた気分を落ち着かせてくれた。









 

 


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