恋の魔法。
「由梨おはよっす」
「……………言っとくけど
別にあんたなんか
見てないから」
「なんだよすねてんの?」
チュ
あたしの頬に
暖かく柔らかなものが
触れると同時に
女子の
キャーーー
という悲鳴と
男子の
おーーーっ
というどよめきが
教室を包む。
「……偽物の付き合いって
こんなことまでするの?」
「シーっ。
みんなに聞こえんだろ」
キーンコーンカーンコーン…
「ほらチャイム鳴ったぞー
席つけよー」
なんか本当に
面倒なクラスに
なったみたいだ…。
あたしは誰にも
見えないようにそっと
携帯の電池パックを開いて
ため息をこぼした。