恋の魔法。








「はあ…
教室帰る」

「あっ!待てよー」









これからまだ約2年も
残ってる高校生活を
この学校で過ごさないと
いけないと思うと、
自然とため息がこぼれた。



















「ええっ!?
なに!?
なんでなんで!?
なんで七瀬さんが
咲哉と帰ってきたの!?
昼休みこいつといたの!?」

「そうだよ。
悪いけどこいつ
オレのだから」

「ちょっ…!」



"ええー!?
嘘でしょ咲哉ー!"
"そんなあ!
七瀬さん!!"
"さすがに早すぎない!?"
"まじかよー!"









わかりやすいほど
ざわめく教室。












「ちょっと。
あたしがいつOKしたのよ?」

「え、だってヤダなんて
言わなかったじゃん」

「……」










あたしの無言を
降参ととらえたのか、
いたずらが成功した時の
子供のようにニカっと
笑っている。










まあ、いいか。
どーでも。





どうせ形だけだし。










こうしてあたしの
奇妙な新生活が
幕を開けたのだった。










< 8 / 157 >

この作品をシェア

pagetop