お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

「一ノ宮様っ…。でもこんなのって。」


「一ノ宮様…じゃなくて桐生だろ?」


囁くようなそれはまるでドラマのワンシーンのようだ。


「桐生様…お願いです、起きてくださいっ」


「だーかーらー、萌からキスしてくれたら起きるって言ってんじゃん」


アイツはクスッと笑みを漏らす。


「そんな…」


ダメ…


…聞きたくなんかないのに。


完全にアイツのペースに乗せられてる。


「まあ」


アイツがそう言いかけた瞬間グイッと手を引かれる。


「きゃあっ!!」


バランスを崩したあたしは桐生の首に抱きつくように倒れこんだ。


「萌がしてくれないならこっちからするだけだけど」

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