お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
――――・・・
「悪い、待たせたな」
後ろから聞きなれた声がした。
「桐生、遅かったね」
「もう用は済んだのか?」
「おー」
さっきと変わらない笑みを浮かべる桐生。
でもその笑顔に何故か瞳の奥がじわっと熱くなる。
その何気ない表情一つが幸せだって気づいたから…
「そろそろ帰ろうぜ」
「うん」
桐生に差し出された手を握る。
暗くなるのが早くなったこの時期の外はすでに真っ暗だった。
「見て、星が出てる!!」
「星くらいで何そんなはしゃいでるんだよ」
そう言いながらも桐生も笑顔で空を見つめていた。
さっきまでのもやもやが晴れ渡るような空。
当たり前のようで当たり前じゃない日常。