お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
桐生があたしの体を離して正面を向いた。
二人の視線が絡まる。
観覧車は、もうすぐ頂上へと到達する。
「あたし…」
言いかけたら思ったより自分が緊張しているのがわかった。
膝の上でグーにした手がガタガタと震えているのが見えた。
「萌?」
桐生が心配そうにあたしの顔を覗きこんでくる。
ひどく動揺した自分の顔が桐生の目に映っていた。
「あたし…桐生と付き合えて幸せだったよ」
「…いきなりどうしたんだよ」
桐生が乾いた笑いを漏らした。
「いきなりじゃない。ずっとずっと考えてたの」
いつになく強いあたしの口調に桐生の顔から笑みが消える。