お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

「わかったならもう何も言うな。あと、この事は誰にも言うなよ」


「…」


不安そうに俺を見つめるミサトをよそに俺は彼女に背を向けた。


これでいい。


そう自分に言い聞かせて。


明日が来てしまえばきっとこの痛みもなくなるからー…


――――・・・


涙が止まらなかった。


階段の影から聞いてしまった桐生の本当の心。


それは悲しくて


何より愛しい真実。


桐生は誰よりも


あたしのことを想っててくれたんだ…


なのに


「桐生は…馬鹿だよっ」


痛みも全部一人で背負って


悪者になろうとするんだもの。


「嫌いになれるはずがないよっ」

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