永遠花火
目が見えなくなったあたしにも見えるもの…“心”をあたしにくれたよね。その時から篤志への想いはもっと深く、大きなものになった。
学校に復帰したあたしを迎えたのは冷たい現実だったけど……篤志がいてくれたからあたしは頑張れた。
でも、ママはあたしにこう言う……。
「彼を好きになってはダメ。辛いのは枝恩なんだから。」
って、、、でも、でもね?そんなに簡単に忘れられないんだよ…。
『忘れられるくらいなら、ここで泣いたりなんか…しないよ…。』
――…いつの間にか下校時刻になった。いつもなら篤志と帰るけど、今日はもう、帰っただろう。
自分がさっき篤志に言ったことを思い出す……。
* * *
あたしは移動教室をしている時に誤って転んでしまった。
『いった―…。はぁ。あーあ、やっちゃった。えっと…』
あたしが落とした点字使用の教材を拾っていると…
「「またやってるよ…あの人。」」
『…え…?』
「「あの人、なんでここに通ってるんだろ。」」
「「ちょっ…聞こえるって!」」
…そうだ…普通の人から見たら、あたしほどここが似合わない人は居ないだろう…。他の人より何も優れてはないし、それどころか、多くの人に迷惑をかける私は我がままだと思う。それでも、篤志が居てくれるならあたしは…
「「南沢先輩だって迷惑だと思ってるぜ?」」
『っ?!』
「「だってさ、幼なじみってだけであの人の面倒見させられてんだろ?俺なら絶対いやだな。」」
…思考が全て止まった。
あたしは篤志にとって邪魔…?お荷物…?…なんで今まで気が付かなかったんだろ。…当たり前じゃん。別に血が繋がってるわけじゃない…。ただの幼なじみの篤志にあたしは何をやらせているの?
あたしが自分の我がままさを思い知った時……
< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop