永遠花火
永遠花火
手探りで探す点字の教材、触れてしまった君のユニホーム、屋上に逃げて恋が痛む、、、遥かに聞く打ち上げ花火――……。

〜第一章〜
『はぁ…逃げてきちゃった…』
あたしの名前は倉間 枝恩。天河原中に通う女子中学生。一見普通の女の子。ただ、、、あたしは両目が見えない。
見えないって言っても、あたしは生まれつき目が見えなかった訳ではなく、昔、家族で行った旅行で事故にあい、一命はとりとめたものの、頭を強く打ち、失明してしまった。その時は生きる希望を失った。何度も死のうとしたりもした。ママ達にも酷い事を言った…でも、そんなあたしを救ってくれたのは…“南沢 篤志”……サッカー部に所属している、あたしの幼なじみ…そして、初恋の人……。
学校を休み、部屋で泣いているあたしを篤志はなにも言わずにただ抱き締めてくれて……一緒に泣いてくれたよね…?
言葉は無かった…だけど、あたしにとっては、一番欲しかったものを篤志はくれた――。
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