FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
考えたって分からない。
そんな暇も無い。
今の真吏に出来る事と言えば、邪空間を削る事くらいだ。
ザッと地面に足をつき、剣を斜め下に構えた。
目の端にヴァジュラが見えたが、構わなかった。そのまま、剣を振り上げる。
「疾風斬!!」
ゴオッと空気がうねりを上げ、鋭い刃となって邪空間を切り裂いていった。
それを見届けることなく、真吏はヴァジュラの爪に貫かれる──。
「──!」
十夜は聖を抱く手に力を入れた。
「真吏……!」
とうとう、2人だけになってしまった。
どうすればいいのか。どうしたら聖を護れるのか。そんなことを考えているうちに、十夜の結界はあっさりと破られてしまった。
「摩利支天……」
不気味に微笑むヴァジュラの顔が、すぐそこにある。
「あのまま操られて死んでいた方が、楽だったろうに……」
その言葉に、十夜は激しい憤りを感じた。
聖をそっと地面に横たえると、その前に出た。
「私は聖を護る。それが皆に対する償いだ!」
そんな十夜を嘲笑うヴァジュラ。
「さて……どこまで保つかな?」
真吏によって半分程度の大きさになった邪空間ではあるが、まだ相当の力を蓄えていた。ヴァジュラはそれを自らの体内に吸収し始めた。
そんな暇も無い。
今の真吏に出来る事と言えば、邪空間を削る事くらいだ。
ザッと地面に足をつき、剣を斜め下に構えた。
目の端にヴァジュラが見えたが、構わなかった。そのまま、剣を振り上げる。
「疾風斬!!」
ゴオッと空気がうねりを上げ、鋭い刃となって邪空間を切り裂いていった。
それを見届けることなく、真吏はヴァジュラの爪に貫かれる──。
「──!」
十夜は聖を抱く手に力を入れた。
「真吏……!」
とうとう、2人だけになってしまった。
どうすればいいのか。どうしたら聖を護れるのか。そんなことを考えているうちに、十夜の結界はあっさりと破られてしまった。
「摩利支天……」
不気味に微笑むヴァジュラの顔が、すぐそこにある。
「あのまま操られて死んでいた方が、楽だったろうに……」
その言葉に、十夜は激しい憤りを感じた。
聖をそっと地面に横たえると、その前に出た。
「私は聖を護る。それが皆に対する償いだ!」
そんな十夜を嘲笑うヴァジュラ。
「さて……どこまで保つかな?」
真吏によって半分程度の大きさになった邪空間ではあるが、まだ相当の力を蓄えていた。ヴァジュラはそれを自らの体内に吸収し始めた。