FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
アナリスを消し去った“ヤツ”は、今度は少年に目を向けた。
アナリスの攻撃によってその身からはおびただしい血が流れ出ており、目は血走っていた。
「愚かなる者よ……次は、お前だな……」
紅く光る目は少年を捕らえた。スッと手をかざすと、そこから大きな光が打ち出された。それは真っ直ぐに少年に向かって飛んでくる。
(駄目だ!)
心の中で叫ぶ。
(駄目だ、この先は…!)
少年には、自分の考えていることが解らなかった。だが、今はっきりと感じるものがある。
(これだけは、この場面だけは)
嫌な予感。大事なものが消えてしまう。だから。
(思い出すな──!)
目を閉じる。そこには見たくないものがあると、そう感じる。
『……これは、夢』
どこからともなく声が響いてくる。
『ゆっくり目を開けなさい。夢は夢でしかないのです。恐れることはありません』
しかし、目を開けたらきっと、“あの光景”が見えてしまう。もう二度と見たくなどないのに。
『大丈夫です。悪夢は終わったのです』
(終わってない)
少年は首を振る。
アナリスの攻撃によってその身からはおびただしい血が流れ出ており、目は血走っていた。
「愚かなる者よ……次は、お前だな……」
紅く光る目は少年を捕らえた。スッと手をかざすと、そこから大きな光が打ち出された。それは真っ直ぐに少年に向かって飛んでくる。
(駄目だ!)
心の中で叫ぶ。
(駄目だ、この先は…!)
少年には、自分の考えていることが解らなかった。だが、今はっきりと感じるものがある。
(これだけは、この場面だけは)
嫌な予感。大事なものが消えてしまう。だから。
(思い出すな──!)
目を閉じる。そこには見たくないものがあると、そう感じる。
『……これは、夢』
どこからともなく声が響いてくる。
『ゆっくり目を開けなさい。夢は夢でしかないのです。恐れることはありません』
しかし、目を開けたらきっと、“あの光景”が見えてしまう。もう二度と見たくなどないのに。
『大丈夫です。悪夢は終わったのです』
(終わってない)
少年は首を振る。