平凡太~ヘイボンタ~の恋
「黙って殴られるって事は、噂が噂じゃないって事だよな?」


ボクはズボンの埃をたたいて立ち上がり、ズレたメガネを押し上げた。


「何も話せません」


「拒否じゃなく、肯定なんだな?」


「言えません」


「…チッ!テメェ、自分が何してっかわかってんのかよッ!!」


「平太先輩…!」


小野寺主任の3発目の拳が上がったのと同時に聞こえたのは───栞の声。
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