平凡太~ヘイボンタ~の恋
「両親、ね…」


「ハイ」


「あたし、実家が北海道なの」


「え?いつも詞音ちゃんを預かってもらってるのは?」


「すぐ近くが友詞の実家で。いつも友詞の両親に詞音を預けているの」


「そう…だったんですか…」


「その友詞の両親が、ね。もうあれから3年も経つんだから忘れなさい、って。友詞じゃない、違う相手に幸せにしてもらいなさい、って。強くお見合いを勧められて…断れなかったの」


「ハイ」


「一度だけ会ったんだ」


「………」


「いい人だった。子供も好きだ、って。あたしの事も気に入ってくれたみたいで、次はいつ会えるか、って、電話もらったの」


「一華先輩も詞音ちゃんも…幸せになれるといいです、ね…」


「それだけ…?」


「…え?」


「…ううん。何でもない…」
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