平凡太~ヘイボンタ~の恋
♪~♪~♪


歩き出した足を止めたのは、ケータイの着信音。


表示は“桜庭 一華”の文字。


大きく息を吸って通話ボタンを押した。


「もしもし、一華先輩?」


『平太くんっ、お願い!』


「どうしたんですか?」


『詞音が…!』


焦って震えた一華先輩の声がそれきり続かない。


「一華先輩?」


『どうしよう…!』


「落ち着いて。詞音ちゃんがどうしたんですか!?」


『ひどい熱で…!痙攣起こして…!』


「一華先輩、すぐに救急車を。病院に着いたらボクに電話ください。タクシーで向かいます」


『詞音が…!』


「大丈夫。ね、一華先輩、救急車を」


『うん…。平太くんもすぐに来てね…!』


「わかりました」


切られたケータイを握り締めて、ボクはすぐにタクシーに乗れるように、大通りへ出た。
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