改良版 うしろの正面だあれ
「美津、どこに行ってたんだ?」
「えっと…」
買ってもらった下着の袋を隠す。
「母さんから電話があったよ。もっと美津のことを考えてやれって。」
「…………………。」
そんなこと、してくれなくていいのに。
カーッと顔が熱くなる。
「ごめんな、気付いてやれなくて。
でもな、美津。父さん、黙って母さんに会われたら寂しいんだよ。不安なんだ。俺じゃ寂しい思いさせてるのかって。」
…父の、こんなにも寂しそうな顔を見たのは初めてだった。
胸が締め付けられるような感覚。
「ごめんなさい‥」
そう言って、美津も泣いた。