先生と執事【続・短編】





――――――――――……







「行ってきます。」






「いってらっしゃい、気をつけてね。」






秋も終わり、季節はもう冬をさしている。







あんなに暑かった夏が嘘かのように、今はとても寒い。







これだけ周りが変化していくなか、私の朝のはじまりだけは何も変わらない。







いつものようにお父さんとお母さんの声で目が覚めるんだ。







「もうすぐなんだから、無理しないようにな。何かあったら電話しろよ?」






「わかってる。心配しすぎだよ、ふふふっ。」






階段で二人の会話を聞くのも、いつのまにか私の習慣となってしまった。






しかし、結婚して大分経つのに本当仲良いなぁ…。






「永愛、お母さんの事頼むな。」





「あ、はーいっ………って、えぇっ!!?」










< 29 / 124 >

この作品をシェア

pagetop