リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『お笑い』・2
ちなみに着ている服は、いわゆるゴスロリファッション。

もちろん―女の子用。

「ううん。そんなに待ってないよ」

だけどアタシは笑顔で接する。

「ホント、ゴメンねぇ。電車が遅れちゃって…」

「いいって。それより早く行こう。今日は洋服を買いたいんでしょう?」

「うん! 行こう!」

彼は笑顔で手を繋いでくる。

ちなみにちゃんと髪も可愛くセットしているので、見た目的には『可愛い女の子』だろう。

…実際、こっちを見る男性達の視線が熱く彼に向いているし。

彼に引っ張られて来たのは、これまたゴスロリショップ。

正直言って、アタシには縁が遠い。

平凡な女の子であるアタシにとっては別世界に見える。

けれど彼は慣れていて、すんなり入って行く。

「わあ! やっぱり春物が一番可愛い♪ 小物も、お洋服も! そう思わない?」

春色の新作の洋服を嬉しそうに彼は自分の体に当てる。

彼は小柄で、アタシと同じぐらいの身長なので、こういう服が良く似合う。
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