人形の微笑
「クロア、これからこの馬に乗ってルスカ国を目指します。
鞍もつけていない裸馬ですが、ご了承ください」
「いや、いいよ」
リリスは緊張気味なクロアを支えて馬に乗せると、
「――もう、来ましたか」
急速に近寄ってきた殺気に気付き、舌打ちをする。
リリスは煙幕をもう一つ取り出すと、壁の割れ目に向かって投げつける。
巻き起こる爆発と閃光。
リリスは驚いてクロアを振り落とさないように馬をなだめつつ、その背中に飛び乗った。
そして、一頭と二人は森を通り抜けるために走り出す。