蜜柑色の淋檎【短篇】

男と女の出逢いは特別なんかじゃない。

俺には彼女こそが特別であり、出逢いを特別な物にする為の未来を考えただけだ。

安いネックレスに無邪気に喜ぶ彼女を見て、“いつか”を考え、口にした言葉……。



─結婚しよう。



その言葉を最後に、彼女は俺の前から消え、切り取られた時間の全てを見つけた。


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