君に、この声を。



階段に、俺の足音と、吹奏楽部の練習している音がこだまする。



今は夏のコンクールに向けての練習らしく、俺らが聞いたことのある曲が流れてくることは滅多にない。



今思うと、合唱団と部活を両立しているのはすごい大変だと気づく。


俺らの学校(まだ転校してきて1ヶ月しか経ってないけど)は、ただでさえ部活が活発で有名。

中でも、バドミントン部と陸上部、吹奏楽部は、県の中でも一位を争うくらいのレベル。


その部活に入っていながらも、合唱団で活動している人は少なくない。



智那は吹奏楽をしながら頑張っているし、佐々木さんも陸上で県最速の短距離走者と言われるほど。

それだけでも大変なはずなのに、2人ともソプラノとアルトのパートリーダーとして頑張ってくれてる。



俺も頑張らないとな――。





そう思ったときだった。




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